５度目で最後の定期検診

いつものドクターがバケーションに入ってしまったため、先週あった最後の検診は、いつもとは別のドクターだった。
体重測定、血圧測定、尿検査、心拍数、そしてお腹周りの測定共に順調で、特に気になる問題も無く１０日の帝王切開を待つばかりとなった。

臨月に入り、ますます大きなお腹となった産みの母の様子も非常に良好で、養子縁組への決意も変わらず堅く、私たちも安心してその日を迎えることが出来そうだ。
妊娠生活を早く終わりにしたい産みの母は、いつもに増して嬉しそうだった。自分の役目はもうすぐ終わり、後は私たちにバトンタッチだと語る彼女は、やっと始められる自分の人生計画にとても希望を持っているようだった。赤ちゃんを産んでから彼女の気持ちにどのような変化が起こるのか、私たちには分からないし、最後まで上手く行かなかった時の事を覚悟しておかなくてはならないが、５月のマッチングで出会ってから２ヶ月間、変わらない意志で私たちが不安にならないように気を使ってくれ、この縁組は本当に上手く行くだろう、という予感が強い。

検診後、『次は病院で』と言って別れた。
７月１０日、私たちは自宅で待機、手術が済んで赤ちゃんも無事に産まれたら電話が来る事になっている。
赤ちゃんに会えるまで、あと３日。

最後の妊娠姿と共に記念に写真を撮るのを忘れた事を、今少し後悔している。