落ち込む母

定期検診同行2度目。

産みの母は酷く落ち込んでいた。
口数も少なく、たまに見せる笑顔もうわべだけ。

妊娠8ヶ月後半になり、肉体的にも精神的にも辛くなっている上に、週明けの出来事とその後の彼との関係が、彼女に多大なストレスを与え続けていることは明らかだった。
結婚してパートナーの支えがあっても、妊娠後期は心も体も辛くなると聞いた。その辛い最後の2ヶ月を、若い彼女はたった1人で頑張っている。
早く産んで終わりにしたい、もう2度と妊娠したくない。赤ちゃんのケアをちゃんとしていないと彼に責められ、自分に自信が無い、と涙を流しながら語る20歳の母。
彼女の体のあちこちに残る青痣。
肉体だけでなく、精神的な虐待も受けて食欲も落ち、かなり限界が来ているのが痛い程分かる。


産みの母が鬱状態に陥っている。こんな事が起こるなんて、マッチング当初もその後も全く想像出来なかった事。マッチングが成功し、定期的に会ってお互いに信頼を深め、産まれる日を楽しみに待つ。心配は”母の心変わり”のみのはずだったのに、予想外の展開になってしまった。
母の精神状態が悪いのは、お腹の赤ちゃんにとっても良く無いこと。
なんとか元気を取り戻して欲しいけれど、私たちには、話したい事があったらいつでも電話をかけてくれて良いし、会いたくなったらいつでも会うからと、何度も繰り返し伝えることしか出来ない。


予定日まで彼女が耐えられるのか、安全に暮らして行けるのかという、深刻な不安が毎日頭から離れなくなってしまった。
産まれるまでのひと月ちょっと、彼女は再び心からの笑顔を取り戻してくれるだろうか。
私たちはいったいどうしたら良いんだろう。


食事を取らない産みの母は痩せてしまったけれど、お腹の赤ちゃんだけは順調に成長しているようで、それだけが救いに感じた。


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