3日目の決断

11月30日の面談から、今日で4日目。

今日、担当のソーシャルワーカーに正式な断りの電話をかけた。
最終決断は3日目の昨日。一度決めたらもうあまり迷う事はなかった。返事を決めるまでに時間がかかってしまったけれど、この3日間は私たち自身をお互いにもう一度見つめ直すのに必要な日数だったと思っている。
産みの毋と子供にはとても申し訳ないと思う気持ちはあるけれど、あの子は私たちのような衝撃に弱い夫婦ではなく、もっと強くてしっかりと受け止めてあげられる夫婦の元へ迎えられた方が幸せなのだ。私たちでは役不足である、というのが決定的な理由だった。
自分自身の性格から、頭で考えている理想の子育て、今すぐあの子が必要としていることに答えるのは困難かもしれないということを、やっとはっきりと自覚した瞬間。性格を分かっていながら、それでも頑張れば出来るだろう、チャレンジしてみたいという思いが、最終的な決断を下す障害となっていた。夫も同様に全く未経験な自分が出来る許容を越えていると感じたらしい。


最終決定をするまで、言葉では言い表せない程、辛い3日間だったと言える。私と夫は果たしてこれほどまでに自分自身の内面を見つめ直した事があっただろうか。

面談の当日には完全に答えが出せず、イエスとノーの狭間で身動きが取れない状態になっていた。2日目は、何度も話し合い考えた結果、あの子を我が家へ迎えたいという思いが強くなり、次のステップへ進む覚悟が出来た気がした。新しい家族を迎えて暮らす自分たちの姿を想像し、とても幸せを感じた。しかし3日目の朝目覚めると、前の晩の前向きな気持ちはなぜか失せ、ずっしりと頭が重く憂鬱な気分で、食欲も無く胃の具合も悪くなっていた。夫も同じように、頭が痛いと言っていた。
夫は一度結婚に失敗している。そして今日初めて、その一度目の結婚式の前夜にとても強い迷いを感じたが、今の気持ちがその時と同じなのだと打ち明けられた。その時も、頭が同じように重くなったと言う。この話を聞いた時、何かとても吹っ切れた気がした。ああ、この縁組は私たちにとっては正しい道ではないのだな、と思った。本当は喜び幸せに思うべきなのに、こんなに悩むこと自体が間違っているのだ。


ホームスタディの時に、自分たちの年齢を気にし、一刻も早いチャンスを求めて焦る気持ちから、良く調べないうちに希望受け入れ年齢を1歳半としたのは、明らかに私たちの至らなさゆえ。今回のことで、産みの毋にも必要のない期待を抱かせ、ソーシャルワーカーにも無駄に働いてもらう事になってしまった。年齢を変更することになったので、私たちのプロセスにも今後遅れが生じる結果になった。

助けを求めて目の前に差し伸べられた手を、振り払ってしまったという罪意識は、始めのうちは持ったものの、あの子が我々ではなく、迷う事なく迎えてくれる別の家族と共に、もっと大きな幸せを掴む事が出来るかもしれないと考えると、これで良かったのだと思える。もしかすると、第2候補の次の夫婦がその人達かもしれない。
今回の事は、もう変えられない済んでしまった事。この経験と反省を常に胸に刻んで、これからまた前を向いて進んで行きたい。


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