最初の知らせ

待ちリスト入りして以来ひたすら待つばかりで、なんだかこれで全て目的を果たし終えたような感じがして、夫も私も『このまま何事も無く終わっちゃう気がするね』などと言いながら毎日を送っていた。そして今後6ヶ月はこのままの状態が続くのだろうと信じていた。150組待っている中の、リストの一番最後に加えられたのだから当然長くかかるはず。養子縁組自体が、なんだか非現実的な事に感じつつあった。
数分前まで。


先ほどエイジェンシーから電話があった。
私たちが、産みの母から養父母に選ばれたという報告。
待ちリスト入りからひと月半。正式通知が手元に届いてからはたったの3週間弱だ。なんだか全く予想外の展開で、嬉しいというよりもこれまた戸惑いの方が強い。そして、産みの母の簡単な情報や子供の情報を聞くにつれて、戸惑いの気持ちは強くなっていった。

子供が既に17ヶ月で、政府のケアのお世話になったこともあるという部分と、産みの母が子供とも言える年齢で妊娠しており、更に妊娠に気づくまでの2ヶ月間に毎日アルコール(ウイスキー)の摂取やマリファナの吸引をしていたという部分に、とても強い不安感を持った。そして、産みの父親はこの養子縁組に関わる事がない、探し出せないということだが、産みの母の妊娠当時の年齢の3倍近く年上の男性ということで、性犯罪者の可能性が高いという事。


選んでもらえたのは嬉しい事。
若い彼女が、私たちなら自分の息子を授けても良いと思ってくれた事を、とても嬉しく思うのだけれど、この縁組が我々が望んでいたものであるかどうか、と言う部分では、我々が提出した受け入れ最低限度に、入るか入らないかのぎりぎりな条件のため、大喜びで受け入れて面談に持っていこうという気にどうしてもなれない。まだ始まったばかりだし、私たちの条件により近い縁組に出会えるのを、もう少し待っても良いのではないか、という気持ちが強い。
しかし、そう思う自分にどうしても罪の意識が付いて回ってしまう。更に、条件を広げ過ぎたのではないか、こんなに早く連絡が来るのなら、もっと狭くしておけば良かったなどと思ったり。
大喜びで受け入れられないのであれば、やはり辞めておいた方がよいのか、しかしこの先良い話があるという保証も無い。


夫が出張中で話し合いが持てないため、1人であれこれと考えてしまう。
夫はどう思うだろう? やはり私と同様の不安を持つだろうか? 明日帰宅するまでの24時間が、とても長く感じる。
本当は喜ぶべきなのに、今非常に動揺している。


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