予想出来ない子供の成長

例え肉体的にも精神的にも何の問題も無い両親から産まれた子供でも、成長と共に意外な問題が発生する事もある。


12歳になったばかりのその子の両親は、教養もあり心身ともに健康、経済的にも恵まれており、夫婦仲も良好であるにも関わらず、長男であるその子はいつの頃からか暴力に非常に執着するようになった。男3人兄弟だが、弟二人とは全く異なる性格をしている。
夫婦は温和で親切、平和的な人達で、双方の家族にも分かる範囲で暴力的な人物は居ない。
先祖を遠くさかのぼったら、もしかすると1人ぐらいは居たのかもしれない。それでもその子の暴力に対するあこがれと執着は、誰に教えられた訳でも環境によるものでもなく、自然に産まれ持った人格によるものである可能性が高い。そして自然に産まれ持ったといっても、両親から受け継いだ遺伝とも思えない。

彼の暴力に対する執着は、親が規制すればする程反抗と共に興味を増し、ますます強くなるようだ。
インターネットの普及で、子供もこっそりと大人向けのサイトを覗けるようになったことも、暴力に対する興味に加速を付ける原因となっている。
親にも学校にも住んでいる家や場所にも不満を持っていて、人を激しく羨み自分は不幸せだと言う。
いったい心の奥深くに、どんな闇があるのだろう。恵まれた環境に育って、どうしてこうなってしまったのだろう。
親や周りの大人に注目して欲しい、自分の中にある悲しみや怒りを理解して欲しいという、本人も気がついていないSOSなのかもしれないが、その言動から、その子の内面にかなり深刻な問題が発生している可能性が高い。


自分の遺伝子を受け継いで産まれてもそうでなくても、どんな子供に成長するのか、環境や育て方の問題を通り越して、もっと困難な問題もあるのだということを、赤ちゃんを抱く正の幸せの陰に隠れがちな負の現実として、改めて心に留めておこうと思う。


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