カウンセリングの大切さ

この間待ちリスト入りが分かった時点で支払った、産みの親のためのカウンセリング費用。
これは、子供を養子に出そうとしている親に、養子縁組とはどういうものなのか、子供を望んでいる夫婦はどんな人達なのかを教え、子供を養子に出すための心構えをしっかりと持てるように、急な心変わりが起こり難くするためのものである、と、私は理解しているのだけれど、このカウンセリングを受けても、やっぱり心変わりする親はいる。


まず一番起こりやすいのは、育ての親とのマッチングも済み、後は産んで赤ちゃんを手渡すだけ、というところまで来て産んだとたんに心変わりする場合。およそ20%の確率で起こるそうだが、この『心変わり』の話はワークショップの時にも、珍しい事ではないので、辛いけれどしっかりと覚悟しておくようにと言わた。


子供が産まれて、産みの親が養子縁組のプロセスを進めたい場合は、同意書にお互いにサインをする。すると、養子縁組の最終法律手続きが終了するまでの間、産みの親と育ての親が子供の共同保護者になる。
ここで、終わったと安心するのはまだ早く、同意書にサインをしてから10日間は『心変わり猶予期間』が与えられている。これは産みの親が10日間の間にやっぱり気が変わった場合のみならず、育ての親が、何らかの事情でその子供との縁組を取り消したい場合にもあてはまる。10日間の間であれば、双方からの縁組取り消しが認められているのだ。
育ての親側からの縁組取り消しは、子供の健康状態が望んでいなかったものであった場合などを除いて、実際には殆ど無いようだが、産みの親からの縁組取り消し申請は、およそ5〜6%の確率で起こるらしい。取り消し申請が出されたら、自宅に連れ帰った赤ちゃんは産みの親に返さなければならない。
『心変わり』よりは低いものの、こちらも決して起こらないわけではないので、心しておくように、と言われた。経験者の話では、同意書にサインしてからのこの10日は、電話が鳴る度に心臓が破裂しそうなほどで、最も不安で辛かったそうだ。そのストレスがどんなものなのかは、想像に難く無い。


そして更に、10日間の猶予期限の後すぐ、養子縁組の最終法律手続きが終了する前に、産みの親が養子縁組の取り消しを求めるケース。
こちらは、競争養子縁組といって、これまで州内で1989年以降12件あったとか。
その内の何件かは話し合いによって解決、残りは裁判にて解決。いずれも、これまで育ての親が負けたことは無いそうだが、裁判に持ち込まれた場合、その費用と共に精神的ストレスは相当なものとなるだろう。
およそ20数年間に12件を多いとするか、少ないとするかはその人の感覚によるけれど、とにかく自分にも起こりえる、と覚えておく必要がある。


カウンセリングを受けない場合は、心変わり、取り消し、競争が起こる確率が非常に高くなるということで、産みの親へのカウンセリングはとても大切だ。
それでも完璧な効果は約束出来ないようなので、どうか自分たちには起こりませんようにと願うしかない。


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