プライベート・アダプション

昨日『オープン・アダプション』を修正した続きで、私たちが現在進行中の『プライベート・アダプション』について、少し詳しく書いてみたいと思います。

『プライベート・アダプション』とは、私が居住している州の規定によると、児童施設とは関わりのない養子縁組のことで、以下の4種類が含まれている。
 1 免許を持っているエイジェンシーを通した養子縁組。
 2 国際養子縁組
 3 配偶者の子供との養子縁組
 4 親族関係など、親しい間柄での直接的な養子縁組
3と4以外の養子縁組には、必ず免許を持った人物や団体が関わらなければならない、とされている。
昨日の記事に、『プライベート・アダプション』とは、日本で言う特別養子縁組と普通養子縁組の両方を含めた養子縁組の事を指す、と書いたけれど、児童施設との関わりを持たないという点で、特別養子縁組とは全く同じではない。



金銭に関する決まり:
エイジェンシーは、非営利団体でなければならない。
養子縁組で、必要な費用以外のお金の申し出や受け渡しは禁じられている。規則を破った場合の罰則は、罰金一万ドル(現在のレートでおよそ79万円)、または禁固刑6ヶ月。


広告に関する決まり:
養子縁組をしたいので子供を捜している、という広告宣伝すること(広告に載せる、医者、聖職者、児童相談員等にレジメを送るなど)は違法である。規則を破った場合の罰則は、罰金2500ドル(およそ20万円)、または1ヶ月の禁固刑。
ただし、周りの人(友人、家族、同僚、教会の会員など)に、養子縁組希望であることを伝えることはかまわない。
(公に広告宣伝、人脈の広そうな人物に正式に斡旋願いを出す行為は違法ということでしょう。)



ところで、児童施設とは関わりのない養子縁組ということで、ついでに。
『オープン・アダプション』と反対の方法をとる養子縁組を『クローズド(Closed)・アダプション』という。産みの親と育ての親との情報交換は無く、その後の関わりも一切持たない閉ざされた方法。ひと昔前は養子縁組といえばこの方法がとられていたが、現在でも『クローズド・アダプション』は存在している。が、自分は捨てられたという思いが付いて回り、子供にとっては精神的に苦痛とされている。

産みの親が生んだ子供をすぐに施設に預けるなどした場合で、施設を通した0歳から2歳の乳幼児の養子縁組は『クローズド・アダプション』になるとのこと。そしてこの場合は待ちリストは無い。基本的に、一度施設に入れられた子供の養子縁組には待ちリストは無いようだ。子供の精神的トラウマが強い、子供に障害があり生涯特別なケアが必要であるなどで、養子縁組を希望する夫婦が圧倒的に少ない、ということだろう。
乳幼児なら精神的トラウマは少なそうだけれど、産みの母の情報が隠されているため、子供の健康状態には不安がある。胎児性アルコール症候群などは、重度でなければ生まれてすぐでは判断がつき難い。
『クローズド・アダプション』は、とにかくどんな子供(障害があっても)でも良いから早く子供を迎えたい、産みの親とは関わり合いたくないという夫婦には向いているかもしれないけれど、そうでないならやはり『オープン』で進めた方が良いと思う。


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