友人の体験談 その1

知り合って10年程になる友人が、養子である事を最近知った。
会話の流れで自然と養子の話になり、『私も養子なの』と言われた。全然知らなかったので、驚いた。

彼女の両親には、男の子が1人産まれたが、2人目不妊で彼女が3ヶ月の時に養子縁組されたそうだ。
産みの親にも会い、現在でもコンタクトはあるという。
しかし、自分の両親は絶対的に自分を育ててくれた父と母で、育ての父と母以外を親と思った事はない、と彼女は言った。自分の性格や、習慣、話し方や行動などは育ての親に良く似ているそうだ。
産みの親には、肉体的な共通点を見る事ができるが、あくまでも他人に対する感情と同じ感情しかないという。


彼女の両親は数年前に立て続けに亡くなった。癌だった。
両親の実子である兄は、両親の死から現在も彼女のたった1人の家族で、心の支えになっている。
養子縁組をした場合の、兄弟姉妹の大切さを考えた。
やはり1人よりも、できれば2人縁組をしたい。
密かに思っていたけれど、彼女の話を聞いてますます強くそう思うようになった。しかし、とりあえずはまず1人目に向けて頑張りたい。


育ての両親が亡くなった時、1年から2年、彼女は働く事が出来ない程落ち込んだそうだ。
明るく前向きな彼女は、現在では一人母国(カナダ)を離れて暮らしている。彼女は自立していて、人を思いやる心があり、とても強い。私はそんな彼女の性格が好きだ。そして、こんな風に彼女を育て上げた両親は、とても素晴らしい人達だったのではないかと想像している。
彼女が育ての両親を誇りに思っている以上に、両親もまた、亡くなった今でも彼女のことを誇りに思っているに違いない。


彼女は私たちの養子縁組を、心から喜んでくれた。
自分が幸せだったように、誰かを幸せにしてあげて欲しいと。


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