過ぎ行く時間

しっかりと念を押しておいた甲斐があって、３人の参考人のうち２人はエイジェンシーからの推薦書のリクエストが届いた翌日には手紙を仕上げて送ってくれた。
もう１人は確認をとっていないのだけれど、２人に届いているなら届いているはずだ、と夫は言う。夫の上司なので追求するのは遠慮しているようだ。
しかしこの最後の１人は今日からロング・バケーションに出かけてしまっているため、私は本当はとても気がかり。
なにしろ手紙が３通揃わないと先へ進めないのだ。
申請のために取得した無犯罪証明書の有効期限は６ヶ月。
確かソーシャル・ワーカーによる面談・家庭訪問（生活調査）が始まるまでは有効でなくてはならないので、早く早く、と気が焦る。
９月までは有効だから、時間はまだたっぷりあるのだが．．．

この年になるまで決意しないで来たのに、一度決めたら妙に焦る。刻々と過ぎていく時間。
もうすぐ４３歳になってしまう私。
時間はさかのぼる事が出来ず、私は若返る事も出来ない。
せめて４０になった時に決断していたならば、と悔やまれるが、自分が４０の時を思い返せば、子無し人生でいこうという気持ちが養子縁組したいという思いを上回っていたのだから仕方がない。
今私が願う事は、自分の健康と夫の健康。
二人とも健康で、健康な子を育てる、それが私の一番の願い。

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