遺伝子の不思議

私の友達は、肌の色の違う異人種間の夫婦。

夫婦の間には幼い息子が二人いる。長男は、肌の色、髪の色、目の色、どこからみても父親の遺伝子のみを受け継いだ様な風貌をしている。そして次男は、どうみても母親の遺伝子のみを受け継いだような風貌である。
知らない人が見たら、お互いの連れ子なのかと思ってしまう程に、人種的にまったく混ざっている気配が無い。


昔雑誌で読んだ記事。
白人と黒人の夫婦に産まれた双子が、1人はまるで黒人そのもので、もう1人は白人そのものという、とても珍しいケース。
友達夫婦もこの珍しいケースにあてはまるのかもしれない。が、双子ではなく別々に産まれた子供が、はっきりと分かれて現れるというのは、双子以上に珍しいのかもしれない。


遺伝とは、なんて不思議なんだろう。
遺伝子関係に詳しい義理兄の話では、黒人も白人も他の人種も、遺伝子レベルでは全くといってよいほど違いがないそうだ。私は詳しい内容は知らないが、肌の色や髪や目の色、人種に特徴的な骨格など、視覚的に強く送られて来る情報の違いほど、遺伝子内には違いが無く、私たちは皆同じただの人間だということだ。
私たちは自分たちの子となる子に、人種の希望は出していない。人種を限定する事によって、縁組の確率が低くなるというのが理由だが、健康であってくれれば、人種の違いは問題ではない。
自分で産んだとしても、肌の色も人種も自分には全く似ていないという事もあるのだ。


この州で養子縁組を望む夫婦は、ワークショップで見る限りほとんどが白人の夫婦だった。養子縁組をした子供達の写真も、その多くが白人の子である。
しかし今回のマッチングでなんとなく感じたのだが、人種の希望を100%オープンにしている夫婦はそれほど多い訳ではないようだ。保守的な白人の夫婦は、やはり白人限定での縁組を望む場合が多く、人種にこだわらないリベラルな夫婦は、国際養子縁組へ進む率が高い。
カナダ国内のある州では、わりと近年まで両親と同じ人種の子供しか養子縁組を認めていなかったという話も驚きである。


今でも、夫と私との間の子は、どんな顔立ちになるのか?という興味はあるし、これは多分一生消えないと思う。
しかし、私たちは自分達の風貌を受け付いた血縁の子供がどうしても欲しいというのではなくて、『自分達の家族』が欲しいと思っている。自分達の遺伝子を受け継いでなくても、人類の遺伝子を受け継いだ、人の子を家族に迎えたいと強く願う。
なぜ、自分の子でなくてはならないのか? どうしても自分達の遺伝子でなくてはならない、という強い執着がないのなら、養子縁組を迷う人も考え方一つで、心を開き受け入れる事はそんなに難しいことではないと思う。


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