親の期待

私の母は子供を3人産んだ。
本当だったら今頃孫に囲まれて、にぎやかな老後になっていたはず。
しかし私の兄弟たちは二人とも結婚しなかった。これだけ聞くと、男性だしまだチャンスはあると思うかもしれないけれど、二人ともメンタルな面に障害を持っており、経済力が全く無いため、今後も結婚して子供をもつ可能性は無い。
そんな中で、結婚した唯一の子供である私は、両親に孫を見せてあげることの出来る唯一の子供でもあった。当然私には最後の期待がかかっていた。


妊娠出来ないと知ったとき、私には小さな罪意識があった。
両親は何も言わなかったけれど、がっかりしていたのを知っている。

母に、一人でもいいから孫を抱かせてあげたい、そう思いつつ、体外受精へどうしても進む事が出来なかった私。
3人も子供を産んだのに、正月には寂しく夫婦二人で新年の朝を祝う両親。
でも、養子縁組によって私に娘か息子が出来たなら、私たちだけでなく、残り少ない私の両親の人生に、今まで咲いた事がなかったような奇麗な花が咲くような気がする。
私が母になりたいと願うように、私の母も祖母になりたいと願っているのだと思う。
私たち家族へ幸せを運んで来てくれる運命の子を、私は全身全霊で夫と共に愛し育て、幸せにしてあげたい。


本当に、巡り会えることができるのならば。


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